水辺公園の沿革と友の会設立の目的

水辺公園を取り巻く環境

この地域は、数十年前までは多摩丘陵から三浦半島へと緑の回廊が連なっており、動植物はこの緑の回廊を通して相互に補給が可能でした。しかし、残念なことに現在はこの緑の回廊もあちこちで分断され孤島化し、遺伝子的な分散が進み孤立化し、消滅する種が増加している状況です。
 三浦半島においては、大楠山~武山~水辺公園~野比~観音崎~小網代の森、その間の学校敷地などのビオトープ等の自然環境を繋ぎ、ネットワーク化することにより緑の回廊をかたちづくり遺伝子的な生物相互の補給が可能となります。
 現在YRPと呼ばれる場所は、開発前は「長沢」および「杉釜(すがま)」と呼ばれていました。横須賀では失われつつある「里山」、心を癒してくれる「人里の風景、自然」でした。

光の丘水辺公園の建設から現在まで

 光の丘水辺公園はYRP開発の際に実施された「環境アセスメント」を踏まえて造成され、池と湿地(平坦な部分)、緑地(それを取り巻く山の斜面)からなります。一度壊され、人為的に作られたものですが、今では、三浦半島ですでに見られなくなっていた植物や昆虫が再生するなど、三浦半島で数少ない水辺環境を持った貴重な公園となっています。
 「環境アセスメント」に基づく開発では “色々な自然に対する「配慮や対策」を実施する”ことが示され、それに沿った開発が実施されました。公園建設時には、諮問機関として学識経験者などで構成する「YRP水辺公園整備計画委員会」が設けられました。光の丘水辺公園は、地主である京浜急行が「環境アセスメント」を受けて建設し、完成後、横須賀市に移管され、1999年4月に、横須賀市の「都市公園」の一つとしてオープンしました。
 そして、2000年4月、水辺公園友の会が発足しました。
 指定管理者制度の開始により、2006年4月(財)横須賀市都市施設公社が指定管理者となり現在に至っています。
 一度壊され、人為的に作られたものですが、今では三浦半島ですでに見られなくなっていた植物や昆虫が再生するなど、三浦半島で数少ない水辺環境を持った貴重な公園となっています。2013年5月に横須賀市の「継承の森」に指定されました。

水辺公園友の会設立目的

水辺公園友の会は、2000年4月、次を目的に設立され、活動しています。

  • かってこの地域にあった里山の素晴らしい自然環境を再生し、後世に伝える。
  • 横須賀市とボランティア団体が、協働しながら新しい形の公園を創造し運営・管理を行う。
  • 横須賀・三浦半島の動植物の再生を図る。
  • 動植物の復元・再生状況等についてインターネット等を用いて情報交換する。
  • 会員相互の親睦を図ると共に子供達への動植物の実地教育の場として活用する。
  • 市民の皆さんに自然に親しんでもらうことを目的とした観察会等を行う。
  • その他、本会の目的を達成するために必要な事業を行う。

 

水辺公園の成り立ち

ちょっと拘ったその造り方

YRPは、杉釜の谷戸に在った大きな尾根を崩して造成されました。光の丘水辺公園の平面部分はこの尾根の土砂で埋め立てて造られたのですが、「環境アセスメント」の趣旨ならびに「YRP水辺公園整備計画委員会」の意見を踏まえ、世界でも初めての試みともいえる特殊な方法が「聖なる池」の造成に用いられました。
 それは、谷戸を埋めた土の上に防水シートを敷き、その上に赤土を敷いた上に、旧「杉釜の池」の上流の「湿地」の土をそのままの状態でブロック状に切り取って運び、設置したのです。つまり、微生物から植物また昆虫にいたる杉釜の谷戸の生物全てをそのまま丸ごとブロック状にして再生の核となる場所「聖なる池」に移植したのです。(下図参照)
 「野鳥の池」、「四季の池」は、「聖なる池」同様に谷戸を埋めた土の上に防水シートを敷きその上に赤土を敷いて造成されました。

水の確保

造成によって地面の高さが約30mほど上昇しました。その為、水源となる谷戸の湧き水も無く、雨水だけでは湿地の維持に問題が生ずることを考え、2つの水系とため池「最奥の池」を設けて水を確保する構造となっています。

水の循環

1.地下水系:
 旧「杉釜の池」の堰をコンクリートで改造し、大きな岩石を沢山投入した後埋め立てて地下ダムを造りました。この地下ダム(現在の地面から約30m下の所)に溜まった地下水をポンプで汲み上げ、公園内の通路の下に敷設されたパイプを通し、「最奥の池」から供給しています。
 この水は、「最奥の池」で溶存酸素を増した後、ホタルの水路を流れ(一部が「聖なる池」の湿地に流れています)「野鳥の池」に入り、その後「四季の池」に入ります。「四季の池」で溢れた水は、「四季の池」の張り出し木造テラスの下から公共下水道へ流れます。(循環はしていません=ワンスルー)
2.循環水系:
 「野鳥の池」の水を「ポンプ」で汲み上げ、通路の下に敷設されたパイプを通して湿地の最上部の分離堤に供給しています。この水は全て「聖なる池=湿地」に入り、「聖なる池」から溢れた水は「野鳥の池」に入ります。(循環しています)

友の会のいま

表彰歴

・2013年2月 横須賀市「エコ大賞」受賞
・2018年2月 横須賀市「エコ活動功労賞」受賞
・2020年5月 第31回「みどりの愛護」功労者 国土交通大臣表彰
・2023年1月 横須賀市「功労賞」受賞(2回目)
・2024年11月 緑綬褒章受章

緑綬褒章

賛助会員

賛助会員として次の企業様・団体様より活動に支援を頂いています。   
☆京浜急行電鉄株式会社   ☆矢崎総業株式会社 技術研究所
☆京急サービス株式会社   ☆株式会社ニフコ 
☆こあじろの森くらぶ 

会員募集

2024年8月1日現在、50家族・66人     会員を募集しています。
定例活動日(火、土曜日の午前中。雨天中止)においで下さるか、ご連絡をお待ちします
                    ご一緒にやってみたい方はお問い合わせのページへ 

絡先

 三浦半島の動植物を再生・復元し、そして市民の皆さんの貴重な財産として保全し、活用し、また子供達に素晴らしい自然環境を残しておいてあげようと思われる方のご参加をお待ちしています。活動内容や入会手続きなどについては下記へご連絡下さい。
 また、毎週火曜日と土曜日の午前中は定例作業日の活動をしておりますのでご来園下さればご説明・ご案内いたします。
                    ご興味のある方、ご一緒にやってみたい方はお問い合わせのページへ
   ・会費(年間):1家族¥1,000円(小学生以下は保護者と一緒の入会となります。)
   ・連絡先:水辺公園友の会
        〒239-0847 横須賀市光の丘4の1 Tel./Fax. 046-849-7650
        光の丘水辺公園管理事務所気付